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- 道具用具(作業工程順)
- まなぁた 俎板、真魚板(仕事台)、他産地では定盤(じょうばん)という。
- はんじょ 半畳(畳表を利用した座布団)
- きせもん 着せ物(椀の縁等の補強用麻布、綿布)
- へらばこ 篦箱(仕事用の篦、小刀などの小道具を入れる箱)
- へらけずり 篦削り(篦を削るときの当木台 松材が良い。又その作業)
- ぞうべら 雑篦(延漆と地の粉の調合用。篦材は档木羽を用いる)
- かがみべら 鏡篦(巾二寸五分以上の広い篦)
- わきべら 脇篦(巾二寸位の篦。鏡篦の相手篦、小重、盆の縁などに使う)
- ほこべら 矛篦(先の尖った篦。刻苧、皺巻に使う)
- つのべら 角篦(鯨の髭、空木(おつぎ)の篦)
- てぇた 手板(塗物を並べて忌棚に揚げる細長い杉板)
- あらど 荒砥(惣身磨、空研ぎ用)
- じとぎと 地砥砥(下地研ぎ水研ぎ用)
- あおど 青砥(拵物、仕上研ぎ拭上など又は錆研ぎ用砥石)
- おぼけ 苧桶(苧お入れて運ぶ器。漆を入れる曲物桶。二貫目、一貫目、五百匁が有)
- じょうばん 定盤(上縁、縁、高台、足の高低調整、むらとり仕上用。水平金属盤。摺盤とも云う)
- ぬりこみぶろ 塗込風呂(上塗師が使う風呂)
- すいつけくだ 吸付管(ゴムの吸盤のある管)中塗、上塗裏物(器物の底)用
- くだかご 管籠(塗下物を入れたり、ホコリとりのため洗った管を入れる大きな竹籠)
- よしのがみ 吉野紙(奈良・吉野地方に産する極薄和紙。漆漉用。化粧用)
- にしん 鰊(中、上塗漆を漉した後のしぼり吉野紙。形が乾燥鰊に似ている)
- しぶよしの 渋吉野(吉野紙に柿渋を二回刷いたもの)
- なつばけ 夏刷毛(上塗用。毛先長く薄く腰の弱い刷毛)
- ふゆばけ 冬刷毛(上塗用。毛先短く腰が強く切出す刷毛 近頃は区別無)
- くろめばち 黒目鉢(生漆の水分を取る為に使う盥。二貫目、一貫目、五百匁、二百匁用)
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- 副資材用語(作業工程順)
- こくそのこ 刻苧粉(椀木地の挽屑を粉末にし篩い分けたもの。他産地は櫛粉、綿、麻を細かく刻んだもの使用)
- そうみこ 惣身粉(木屑粉を更に焼いた粉)
- こうらこ 甲羅粉(木屑粉の特に荒目のもの。家具膳、片木盆の内縁の引刻苧用)
- わんこ 椀粉(地の粉の特に荒いもの。荒粉)
- うすでこ 薄手粉(二番目に荒い地の粉)
- かがみこ 鏡粉(三番目に荒い地の粉)
- にへんじこ 二辺地粉(四番目に荒い稍々地の粉)
- さんべんじこ 三辺地粉(五番目に荒い稍々細かい地の粉)
- とのこ 砥の粉(黄土を粉末にして団子状に乾燥したもの。吸水性。山科産)
- あおどのこ 青砥の粉(石質の細かい粘板岩の粉末の団子。信州砥之粉。さび用)
- きうるし 生漆(日本産、中国産の荒漆を漉したもの。他に台湾、ベトナム、タイ産)
- なかぬりうるし 中塗漆(若干水分を残す黒目漆。俗に半殺しとも云う)
- はなぬりうるし 花塗漆(上塗用黒塗漆を云う)
- しゅあいうるし 朱合漆(透きの良い生漆を選び黒目る。朱黄、糸瓜水を入れて黒目たもの)
- かんりんしゃ 寒冷紗(着せ物掛に使う木綿布、必ず新品を使う)
- きせじ 着せ地(厚手の綿布。椀などに使う。麻布の代替品)
- ねたうるし 寝た漆(黒目て数年経た漆。陳ねた漆)
- おしろい 白粉(黒目漆の艶消し、穴気止めに用いる)
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- 仕事用語(作業工程順)
- きじがため 木地固め(椀など丸物を延漆又は生漆で塗る)
- こくそ 刻苧(漆100対糊100に調合屎粉を適量混ぜて埋める)
- きじごしらえ 木地拵(木地の凹凸、汚れを取り着せ物掛けの準備作業)
- きせもんがけ 着せ物掛(木地に延漆にて綿布、麻布を貼り付ける)
- そうみみがき 惣身磨(惣身の上を荒砥で空研ぎをする)
- いっぺんじ 一辺地(合せ漆に椀粉、薄手粉、鏡粉など混ぜ地付けをする)
- からとぎ 空研(一辺地を荒砥で、三辺地を青砥で空研をする)
- にへんじ 二辺地(合せ漆に砥の粉を少し入れ二辺地粉を混ぜて地付けする)
- めすり 目摺(生漆80対砥の粉100に調合し薄く地付けする)
- ひきうるし 引漆(一辺地のとき上縁、面廻りを桧皮にて生漆を懸け補強する)
- まるがけ 丸掛(麻布で全体を着せ物を懸る)
- まるじ 丸地(全体を下地漆で塗堅める)
- ぎんみもん 吟味物(特別入念に仕上げる茶道具、文庫など。合口、面建等が難しい)
- さらぁつけしごと 浚付け仕事(普通の急ぎ仕事)
- てばりしごと 手張仕事(実力以上に見栄をはる仕事。規定の時間を超過する仕事)
- こしらぁもん 拵物(青砥又は駿河炭で軽く平面に研ぎ均す)
- ふきあげ 拭上(青砥又は駿河炭で丁寧に研ぎ均らす上塗の下仕事)
- まるぬり 丸塗(糸底管を付けた物、裏管を付けた物上塗。内外ともに一度に塗る)
- かやりとり 返り取(上塗のとき塗物の乾くまで数分毎に上下に返す。返取)
- つけ 付け(上塗漆の試塗。上塗職人に祝儀作工料、酒肴を供す)
- なやし 直し(上塗漆の乾き加減を調整するため再び黒目ること)
- じごくじ 地獄地(三辺地をして半乾きの内にすぐさび漆で目摺すること)
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