漆工場のようす

木からかいた(取った)漆が漆工場でどのように精製され、どんな漆ができるか、本を見たり教えてもらったりしてまとめてみました。

漆の名称精製漆の
種類
漆の性質や特徴どんなとき
使用されるか
生漆
きうるし
下地漆
したじうるし
原料漆液(漆科植物の樹幹から採取したままの漆液からゴミ(異物)をこしたもの。高級漆器の下地/艶上げのすりうるし/ふきうるし
透漆
すきうるし

梨子地漆
なしじうるし
透明度のもっともよい原料うるしを用い黄色味をおびさせるために雌黄の汁などを加えて精製されたもの。梨子地漆(金、銀、錫粉などの上に塗る)
透呂色漆
すきいろうるし
透明度のよい原料漆液を用い精製されたもの。木目を表わす研磨塗に使用/各種の顔料、染料などに練り合わせ彩漆をつくる。
透艶漆
すきつやうるし
透明度のよい原料漆液を用いる(樹脂、その他を添加してなやす。透明の仕上塗/塗立仕上げに使用/各種の顔料、染料などに練り合わせ彩漆をつくる。
透箔下漆
すきはくじたうるし
油分の混入を減じて呂色漆と同様に精製されたもの。金、銀、錫粉などにつけるための下塗
透中塗漆
すきなかぬりうるし
乾燥しやすい原料漆液を使用し油分の混入をさけ他の補助剤を加え精製されたもの。透明塗の中塗
透艶消漆
すきつやけしうるし
艶を消すために使用する漆。透明仕上げの艶消
彩漆仕上の艶消漆
黒漆
くろうるし

黒呂色漆
くろろいろうるし
黒うるしの中で最高級で原料漆液も良質のものを使用する。黒色研磨仕上げの呂色塗料
黒艶漆
くろつやうるし
(塗立漆とも呼ぶ)黒漆中でも高級な艶のある漆。黒色の仕上げ染料に使用
黒箔下漆
くろはくじたうるし
油分の混入を減じて黒漆と同様に精製されたもの。金、銀、錫粉などをはる時使う
黒中塗漆
くろなかぬりうるし
補助剤を加え黒漆として精製されたもの。中塗用
黒艶消漆
くろつやけしうるし
黒漆として艶のない漆として精製されたもの。艶消しの上塗用の使用
大切なこと:
漆はくろめの工程の補助剤【樹脂(ロジンともいう)、荏油(えのあぶら)、仁油(にゆ)】の加え方で違う。
設備と道具