輪島塗は100以上の製造工程を経て、ひとつの漆器を仕上げます。
古くから輪塗りは、大量の注文にも素早く対応できるよう作業の効率を求め、
工程ごとに専門の職人たちが分業して生産を行ない、それらは塗師(ぬし)によって取りまとめられて、販売してきました。
・・・工房の種類は大きく4つに分けられます。・・・
製品の企画・開発から製造までを統括する輪島塗の総合プロデューサー。工程ごとに分業している職人たちをとりまとめ、輪島塗を全国のお客さんの元に売りにいく行商人でもあります。輪島塗が産地として、これだけ続けてこられたのは塗師屋の上手なプロデュースがあったからこそ。「最近の漆器の楽しみ方は?」「上手な漆器との付き合い方は?」「塗師屋が見てきた歴史とは?」など、いろいろなおはなしを聞いてみてください。
どんな木材からも、器のかたちを生み出す木地師は木材の手品師です。
椀木地 wan-kizi
轆轤(ろくろ)を回転しながら、刃物をあてて、お椀などの丸い木地を作ります。
朴木地 ho-kizi
鑿(のみ)やカンナで材料から刳り抜いて細工物など、どんなかたちでも作ります。
指物 sashi-mono
重箱・膳・家具など。板と板を組み合わせるための技術が必要な仕事です。
曲物 mage-mono
わっぱやお盆など。カンナをかけてできる薄い板を、型に合わせて丸めます。
扱いが難しい「漆」を丁寧に丁寧に塗り重ねる作業には、輪島の職人の技と根性が光ります。
下地 shita-zi
木地から何回も何種類もの漆を塗り重ねながら、器の肉付けをしていきます。下地の塗り方によって、その漆器のかたちが決まる、土台をつくる大事な仕事です。
研物 togimono
下地塗りの工程の中でかたちを整える“研ぎ”の仕事。美しい面をつくるため、何段階にも研ぎを重ね、かたちを整えていきます。
上塗 uwanuri
最後の仕上げを決める上塗り。ホコリやチリがつかないように、漆の乾燥に細心の注意をはらいながら塗りを完成させます。
上塗りをした無地の状態から、磨いて艶をだしたり、文様をほどこしたり、輪島塗の最後のお化粧をする仕事。華麗なる職人技は感動モノ。
呂色 roiro
漆器の艶を出すために、何段階にもわたって、手のひらをつかいながら丁寧に磨き上げます。
沈金 chin-kin
塗面に刃物で文様を彫って漆を擦り込み、金や銀を埋めて文様をいれます。
蒔絵 maki-e
塗面に漆で文様を描き、漆が固まる前に、金粉や銀粉で文様をつけます。